上 の小部屋

  

峠うどん物語上巻・下巻

 

重松 清   講談社

 



著者メッセージ

「磁場」のあるお話を書いてみたかった。

物語がいくつも、次から次へとそこに引き寄せられるそんな求心力に満ちた場をつくりあげることから、お話を始めた。

うどん屋をつくった。味は悪くない。ただし、立地条件にいささか難あり。物語の語り手はお店の看板娘(自称)。明朗快活な中学生である。

職人気質のおじいちゃんに、おしゃべりなおばあちゃん。まじめなお母さんに、間抜けお父さん。あとはお客さんを迎えるだけである。・・・

どんなお客さんが来るのか。執筆前に具体的なイメージがあったわけではない。だが、冶分のつくった「磁場」を信じよう、と言い聞かせながら、上下巻・全十話の長井物語を走りきった。

 




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